2009年11月23日

豊郷小学校保存運動の記録を読む!

 全国的保存運度で知られる豊郷小学校を尋ねたことは以前に記した所です。
 この保存運度には多くの学ぶべきことが多いように思います。



 この「豊郷小学校の歴史と未来を考える会」発行の保存運動の記録集は、本文281頁、付録33頁にも及ぶ冊子です。

 古川鉄治郎氏の幅広い見識と並大抵でない想い、有為の人物を教育の力によって育て郷土に貢献したいとしたことに、多くの豊郷の人々が大切にしていること、その教育的な意味も重いように思います。
 現在見学に行ってもすばらしいと思うのに、歴史ある校舎群を取り壊そうとした行為があり、ぎりぎりの局面で守りきることができたその関係者の思いは、学習し受け継ぎたいものだと思います。

 ここでは、豊郷小学校を保存・利用する意味を教育学の立場から述べられた船寄俊雄氏の文をもじって、日夏ヴォーリズ建築保存の意味を考えると次のようなるかと思います。

 「では何のために古い旧日夏村役場と産業組合の合同庁舎を残そうとするのか。日夏まちづくりの歴史の実物に、これからの日夏の子どもたちやこれらかの日夏を背負っていってくれる人々に触れてもらいたい、触れられるようにしておきたいという思いからである。村役場と産業組合の庁舎の実物に触れることによって、日夏のまちづくりに寄せたその時代のおとなたちの「声」や「思い」を読み取ることができるのである。そのことは、階段の手摺り、階段の段差、窓の形や大きさ、窓の位置、部屋の配置、柱の位置、質素な装飾など随所にみられるのである。
 まちづくりに寄せた人々の「思い」は、その「思い」を書き残した資料からだけ再現されるのではない。大工さんが削った階段の手摺りは、大工さんは何も語らなくとも、雄弁にその「思い」を後世のわたくしたちに語っているのである。書かれた資料だけではなく、モノやコトが時代時代のまちづくりへの想いを今日に伝えてくれるのである。」
 「やはり資料のもつ迫力や臨場感にはかなわない。」そして、昭和8年(1933)日夏村経済更生計画の指定を受けまちづくりに励む中、昭和9年「地元の人たちが、まちづくりのために身銭を切って造った建物であることを忘れることは出来ないように思う。殊に日夏小学校が無くなってしまった今だからこそ。」
 

 こんなことになろうか。




Posted by 日夏ヴォーリズ建築の会 at 17:50 Comments( 0 ) ヴォーリズ建築
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プロフィール
日夏ヴォーリズ建築の会
フルヨじいさん

 本人はそんなに思っていないが、子どもたちから見ればやはりそのとおりか。

 日夏に生まれ日夏で暮らしてきた。これからも日夏の良さを再発見しながら暮らしていきたいと思う。できれば色々な方々と共に。