ちょっと悲しいこと 堀端のヴォーリズ建築
前回はうれしい話でしたが、登録文化財のプレート等を受け取りに行ったとき、堀端のヴォーリズ建築へ立ち寄ったところ、悲しい光景に出会ってしまいました。
以前、2012.09.18(→ http://hinatu.shiga-saku.net/e837423.html)に投稿しました。参照下さい。

悲しいことながら解体されていました。移築予定とは言え!!!!




大正13年に竣工した旧彦根高等商業学校の外国人教員住宅のもう一棟が残っています。
出来れば、みんなで見学でもしたいものだと思いました。
いろいろな歴史を大切にして欲しい。
歴史の冒涜にならないように。

以前、2012.09.18(→ http://hinatu.shiga-saku.net/e837423.html)に投稿しました。参照下さい。

悲しいことながら解体されていました。移築予定とは言え!!!!




大正13年に竣工した旧彦根高等商業学校の外国人教員住宅のもう一棟が残っています。
出来れば、みんなで見学でもしたいものだと思いました。
いろいろな歴史を大切にして欲しい。
歴史の冒涜にならないように。

気になる堀端のヴォーリズ建築
2009年11月4日撮影の彦根城の堀端にあるウォーリズ建築です。

山形政昭著『ヴォーリズの西洋館 日本近代住宅の先駆』(淡交社)2002年7月に、山形氏が1996年の晩秋に訪問されたことが記されています。
「彦根市金亀町、お城の西側の堀に面して、緑深い自然林に囲まれたように建つ二棟の西洋館がある。共に寄棟屋根の四角い小住宅であるが、所々にアーチ形の入口や、玄関ポーチの構えなどシンプルにして、親しみ深いデザインを備えている。」
大正11年(1922)開校された彦根高等商業学校(現 滋賀大学経済学部)の教員住宅地として整備されたところ。開校当時より外国人講師が招聘され、大正13年春「傭外国人教師住宅」3棟がヴォーリズ建築事務所によって設計され、その年12月20日に竣工したこと。
建築図面も残っており、約4間四方、建坪16坪余りで正方形に近い間取りの二階建てという、ヴォーリズの小住宅建築の典型のような設計で、ヴォーリズの著書『吾家の設計』(大正12年)の中で提案されている3間四方の「最小限の住宅設計」の案をもとにひと回り大きく具体化されたものとみられ、隅に暖炉を構えた居間の配置、台所の設備など案に通じる興味深いものとのこと。
「実にシンプルな構えだが二階上部の外壁は柱型や筋交いを意匠的に表したハーフティンバー・スタイル(和式の真壁式に近い)。その壁の間に小さな窓がリズミカルに開いている。そして、玄関ポーチはレンガの階段と軒庇が凝っていてこの小住宅の立派な顔となっている。
住宅の中心に設けられた三間×二間、一二畳大の居間はコーナーに暖炉を構え、大小の椅子や調度品を配してもゆとりのある、居心地良いスペースとなっている。そしてここから食堂と階段ホール、そして台所へと通じる関係がまことに良いことが分かる。」
「洋館は荒いモルタル壁に年月をしみ込ませ、周囲の樹木は屋根を越えて枝を広げ、お城の内堀に面して絵のような風景をつくっている。その愛らしい風景は、ヴォーリズ建築の特色を持つ小住宅としての意味だけでなく、この地で長く親しまれてきた景観のひと駒なのである。そして、歴史的には、大正期を迎えて彦根市が近代教育と文化の導入を図ってきたことを伝える一つの史的な遺産となっている。
ところで、昨今、お城に近いこの地区における整備事業ということで、既存建物の撤去が進められており、この洋館も存続が危ぶまれている状態にあると聞く。近年、歴史のある建築とその景観の持つ多様な価値を見い出し、文化財としての広い活用を図ろうという機運が生まれている時であり、お城の景観と共に近代の遺産としてのこの小さな洋館についても、保存と再生の道が拓かれることを願わずにはおれない。」と記されている。
4月3日の台風で屋根が飛ばされたことが報じられていた。

この写真は4月14日の撮影です。
ところで、平成24年9月1日の『しが彦根新聞』に、彦根市議会の補正予算案に彦根城の堀端にあるヴォーリズ洋館についての予算が計上されていることを次のように報じていた。
△彦根城内のヴォーリズ洋館の解体費(1320万円)=今年度4月3日の台風で屋根が飛ばされたヴォーリズ洋館を特別史跡外へ移築するための解体と保管費。
文化財保護の面からは、移築は最後の手段のように思われる。
いろいろな歴史遺産がそこにあるのは、その地にいろいろな歴史が展開されたからであり、その地に存在すること自体にも意味のあることだ。
市議会でどのような議論がなされているのか知るよしもないが、
何か、歴史の冒涜となりかねないように思われてならない。
9月2日、寺子屋力石へ行く前に立ち寄った時の写真を掲げておきます。

この建物を建てた地域の先祖たちはどう思うだろか???・・・

山形政昭著『ヴォーリズの西洋館 日本近代住宅の先駆』(淡交社)2002年7月に、山形氏が1996年の晩秋に訪問されたことが記されています。
「彦根市金亀町、お城の西側の堀に面して、緑深い自然林に囲まれたように建つ二棟の西洋館がある。共に寄棟屋根の四角い小住宅であるが、所々にアーチ形の入口や、玄関ポーチの構えなどシンプルにして、親しみ深いデザインを備えている。」
大正11年(1922)開校された彦根高等商業学校(現 滋賀大学経済学部)の教員住宅地として整備されたところ。開校当時より外国人講師が招聘され、大正13年春「傭外国人教師住宅」3棟がヴォーリズ建築事務所によって設計され、その年12月20日に竣工したこと。
建築図面も残っており、約4間四方、建坪16坪余りで正方形に近い間取りの二階建てという、ヴォーリズの小住宅建築の典型のような設計で、ヴォーリズの著書『吾家の設計』(大正12年)の中で提案されている3間四方の「最小限の住宅設計」の案をもとにひと回り大きく具体化されたものとみられ、隅に暖炉を構えた居間の配置、台所の設備など案に通じる興味深いものとのこと。
「実にシンプルな構えだが二階上部の外壁は柱型や筋交いを意匠的に表したハーフティンバー・スタイル(和式の真壁式に近い)。その壁の間に小さな窓がリズミカルに開いている。そして、玄関ポーチはレンガの階段と軒庇が凝っていてこの小住宅の立派な顔となっている。
住宅の中心に設けられた三間×二間、一二畳大の居間はコーナーに暖炉を構え、大小の椅子や調度品を配してもゆとりのある、居心地良いスペースとなっている。そしてここから食堂と階段ホール、そして台所へと通じる関係がまことに良いことが分かる。」
「洋館は荒いモルタル壁に年月をしみ込ませ、周囲の樹木は屋根を越えて枝を広げ、お城の内堀に面して絵のような風景をつくっている。その愛らしい風景は、ヴォーリズ建築の特色を持つ小住宅としての意味だけでなく、この地で長く親しまれてきた景観のひと駒なのである。そして、歴史的には、大正期を迎えて彦根市が近代教育と文化の導入を図ってきたことを伝える一つの史的な遺産となっている。
ところで、昨今、お城に近いこの地区における整備事業ということで、既存建物の撤去が進められており、この洋館も存続が危ぶまれている状態にあると聞く。近年、歴史のある建築とその景観の持つ多様な価値を見い出し、文化財としての広い活用を図ろうという機運が生まれている時であり、お城の景観と共に近代の遺産としてのこの小さな洋館についても、保存と再生の道が拓かれることを願わずにはおれない。」と記されている。
4月3日の台風で屋根が飛ばされたことが報じられていた。

この写真は4月14日の撮影です。
ところで、平成24年9月1日の『しが彦根新聞』に、彦根市議会の補正予算案に彦根城の堀端にあるヴォーリズ洋館についての予算が計上されていることを次のように報じていた。
△彦根城内のヴォーリズ洋館の解体費(1320万円)=今年度4月3日の台風で屋根が飛ばされたヴォーリズ洋館を特別史跡外へ移築するための解体と保管費。
文化財保護の面からは、移築は最後の手段のように思われる。
いろいろな歴史遺産がそこにあるのは、その地にいろいろな歴史が展開されたからであり、その地に存在すること自体にも意味のあることだ。
市議会でどのような議論がなされているのか知るよしもないが、
何か、歴史の冒涜となりかねないように思われてならない。
9月2日、寺子屋力石へ行く前に立ち寄った時の写真を掲げておきます。

この建物を建てた地域の先祖たちはどう思うだろか???・・・
タグ :ヴォーリズ建築
旧八幡郵便局へ立ち寄る
25日の土曜日午後、近江八幡の旧八幡郵便局に立ち寄ってきました。

二階で開催されている「ヴォーリズさんの設計室展」(土・日のみ)を見学してきました。

展示の副題は、-理想の住まいのつくりかたを読み解く-。
ヴォーリズさんの『吾家の設計』『吾家の設備』を読んでみたくなりました。
実は、アンドリュース記念館で開催された「NPO法人ヴォーリズ建築保存再生運動 一粒の会」の総会後に、日夏ヴォーリズ建築である旧日夏村役場(日夏里館)の紹介をさせていただきました。
総会では真剣な討議がなされ、大変ためになりました。
また、二次にわたる旧八幡郵便局での耐震改修活動の整理をなされていました。

参加型の改修推進など興味深い取り組みですが、なかなかまねができないことか思いました。
丁度雲が出ていた来たので、もう一度写真を撮らせていただきました。

総会後の懇談会にも、厚かましくも参加させていただきました。
帰りには、乗ったこのないジープにも乗せていただき、涼しい風を楽しませていただきました。
ありがとうございました。

二階で開催されている「ヴォーリズさんの設計室展」(土・日のみ)を見学してきました。

展示の副題は、-理想の住まいのつくりかたを読み解く-。
ヴォーリズさんの『吾家の設計』『吾家の設備』を読んでみたくなりました。
実は、アンドリュース記念館で開催された「NPO法人ヴォーリズ建築保存再生運動 一粒の会」の総会後に、日夏ヴォーリズ建築である旧日夏村役場(日夏里館)の紹介をさせていただきました。
総会では真剣な討議がなされ、大変ためになりました。
また、二次にわたる旧八幡郵便局での耐震改修活動の整理をなされていました。

参加型の改修推進など興味深い取り組みですが、なかなかまねができないことか思いました。
丁度雲が出ていた来たので、もう一度写真を撮らせていただきました。

総会後の懇談会にも、厚かましくも参加させていただきました。
帰りには、乗ったこのないジープにも乗せていただき、涼しい風を楽しませていただきました。
ありがとうございました。
旧日夏村役場建物の調査報告書
3月17日に報告書が完成し、報告会を開催したことは、先に紹介したところです。
今回は、報告書について紹介しておきたいと思います。

報告書の目次は次の通りです。
ごあいさつ 旧日夏村建物調査委員会委員長 奥貫 隆
目 次
例 言
1.日夏町の概観 位置・歴史
2.日夏村役場・産業組合合同庁舎をめぐる歩み
3.建築設計図面から見た合同庁舎
3.1. 建物の概要
3.2. 建物の構造
3.3. 村役場事務所
3.4. 産業組合事務所・売店
3.5. 大広間
3.6. 階段室
4.建物の現状からみた合同庁舎
4.1.建物の現状実測から
4.2.建物現況の傷み具合の検証
4.3.耐震安全性に対する現状と課題
5.ヴォーリズ建築の特徴と再生活動
6.日夏里館を未来へ継承する
7.日夏村役場建物調査委員会の構成と経過、協力者
おわりに ―保存へのあゆみから―
図 版 編
旧日夏村役場及産業組合設計図リスト
図版 1-18:旧日夏村役場及産業組合設計図リスト
図版 19-21:旧日夏村役場及産業組合軸組図
図版 22-26:旧日夏村役場建物現状実測図
図版 27-35:現状写真 全景・詳細
奥 付
調査及び執筆いただいたのは、濱崎一志氏、迫田正美氏、中西茂行氏、高田豊文氏、 石井和浩氏、鵜飼 修氏、小梶庄次氏の先生方です。
確認されてヴォーリズ建築事務所の設計図、その図面を元にした軸組図、現況実測図、現況写真も収録されています。
本文は66頁、図版編は36頁になります。


多くの事実が明らかになりましたが、これからの多くの課題も明らかになりました。
これからのまちづくりについての興味深い提案がなされています。
この報告書が、日夏や周辺のまちづりに役立つことを願っています。
この報告書をご希望の方にはお分けすることができます。
ご希望の方は、日夏ヴォーリズ建築の会 FAX 0749-25-0948、又はfuruyo@maia.eonet.ne.jp(古川)までお問い合わせください。
多くの方々の共感と協力の下に、自治とまちづくりの原点の建物が再生されていくことを期待したいと思います。
今回は、報告書について紹介しておきたいと思います。

報告書の目次は次の通りです。
ごあいさつ 旧日夏村建物調査委員会委員長 奥貫 隆
目 次
例 言
1.日夏町の概観 位置・歴史
2.日夏村役場・産業組合合同庁舎をめぐる歩み
3.建築設計図面から見た合同庁舎
3.1. 建物の概要
3.2. 建物の構造
3.3. 村役場事務所
3.4. 産業組合事務所・売店
3.5. 大広間
3.6. 階段室
4.建物の現状からみた合同庁舎
4.1.建物の現状実測から
4.2.建物現況の傷み具合の検証
4.3.耐震安全性に対する現状と課題
5.ヴォーリズ建築の特徴と再生活動
6.日夏里館を未来へ継承する
7.日夏村役場建物調査委員会の構成と経過、協力者
おわりに ―保存へのあゆみから―
図 版 編
旧日夏村役場及産業組合設計図リスト
図版 1-18:旧日夏村役場及産業組合設計図リスト
図版 19-21:旧日夏村役場及産業組合軸組図
図版 22-26:旧日夏村役場建物現状実測図
図版 27-35:現状写真 全景・詳細
奥 付
調査及び執筆いただいたのは、濱崎一志氏、迫田正美氏、中西茂行氏、高田豊文氏、 石井和浩氏、鵜飼 修氏、小梶庄次氏の先生方です。
確認されてヴォーリズ建築事務所の設計図、その図面を元にした軸組図、現況実測図、現況写真も収録されています。
本文は66頁、図版編は36頁になります。


多くの事実が明らかになりましたが、これからの多くの課題も明らかになりました。
これからのまちづくりについての興味深い提案がなされています。
この報告書が、日夏や周辺のまちづりに役立つことを願っています。
この報告書をご希望の方にはお分けすることができます。
ご希望の方は、日夏ヴォーリズ建築の会 FAX 0749-25-0948、又はfuruyo@maia.eonet.ne.jp(古川)までお問い合わせください。
多くの方々の共感と協力の下に、自治とまちづくりの原点の建物が再生されていくことを期待したいと思います。
滋賀県はヴォーリズ建築の宝庫
去る3月17日の建物調査報告会では濱崎一志先生と鵜飼修先生から興味深いお話をいただきました。
濱崎先生からは、近江の歴史ある所にはヴォーリズ建築があり、ヴォーリズ建築を見ていると楽しいと開陳されていました。
紹介が遅くなってしまいましたが、講演会のダイジェストは、滋賀咲くブロガーバトンで公開中です。
→ http://baton.shiga-saku.net/e764918.html
報告書については、次回に紹介したいと思います。
濱崎先生からは、近江の歴史ある所にはヴォーリズ建築があり、ヴォーリズ建築を見ていると楽しいと開陳されていました。
紹介が遅くなってしまいましたが、講演会のダイジェストは、滋賀咲くブロガーバトンで公開中です。
→ http://baton.shiga-saku.net/e764918.html
報告書については、次回に紹介したいと思います。