2010年02月08日

博物館と地域社会の講演会に行った!

一昨日(2月6日 土曜日)、「博物館・美術館と地域社会」をテーマとする講演会に行きました。
 どなたか記しておかれた許してほしいと思いますが、日夏ヴォーリズ建築の会にとっても参考になるように思いますので、少し記しておきたいと思います。
 まずは、こんなポスター・チラシでしたが、御覧になりましたか?

博物館と地域社会の講演会に行った!

 当日は大変な吹雪の中でしたが、会場は琵琶湖博物館のホールで、100名余りの参加だったようです。
 主催は滋賀県博物館協議会で、滋賀県の博物館の将来を考える会が共催し、滋賀県・滋賀県教育委員会が後援となっていました。

 講師の平川南氏は古代史の研究者で、講演の中でも野洲市西河原出土の木簡に高い評価をされていました。
 国立歴史民俗博物館館長と山梨県立博物館館長を兼務され、地域住民の声を活かす博物館のあり方について提唱し、地域や市民との連携の重要性を訴えておられるとのことです。当日の平川氏の話の重点は次のことだと思います。

  「博物館」「美術館」はその国、その地域社会がもっとも重きをおいている価値観を反映させなければならない重要な文化施設である。その「博物館」「美術館」の調査研究活動に基づいた”豊かで多様な自然と歴史に根ざした街や村づくり”こそが、国や地域の未来を切り拓く大きな原動力となるに違いない。

 平川氏の随筆(人事試験研究2009.12№213 「地域社会と歩む博物館」)によると、

 ドイツ文学者桝谷邦彦著『ドイツ魂』(講談社)では、「博物館というものは、その国(その地域 平川注)が最も重きをおいている価値観を反映している。」との言は、重視すべきことで、学芸員の使命感とプロフェッショナル意識が重要である。
 山梨県立博物館の基本コンセプトは、「山梨の自然と人の関わりの歴史」と定め、豊かな自然から受ける恩恵と、度重なる洪水などの災害を通して、人々が自然に対する脅威と畏敬の念を高めていた歴史を多くの市民が県立博物館で学ぶことを目指している。とのこと。

 また、現代社会における市民の知的需用は極めて高く、学芸員の調査研究の質の高さが求められている。そこで、「博物館という文化施設は、たとえ一日でも活動を怠ると、あっという間にそれこそ”箱物”と化すことを館員一同、肝に銘じておきたい。」と誡められています。
 このことは、館職員のみでなく、設置者や市民に広く共有されることが大切と思われます。

 ところで、この提言を参考に日夏歴史研究会や日夏ヴォーリズ建築の会に適用すると、次のようになるかと思います。

  「日夏ヴォーリズ建築」は日夏、その地域社会がもっとも重きをおいている価値観を反映させた重要な文化施設でありたい。
 日夏では日夏歴史研究会の活動を進めてきており、会の調査研究活動に基づいた”豊かで多様な自然と歴史に根ざした街や村づくり”こそが、地域の未来を切り拓く大きな原動力となるに違いないと思いたい。
 豊かな自然から受ける恩恵と、度重なる洪水などの災害を通して、人々が自然に対する脅威と畏敬の念を高めていた歴史を、日夏とその周辺の人々が日夏ヴォーリズ建築と日夏歴史研究会の活動を通じて一緒に学び活かしていくことを目指したい。


 こんなことかと思いますが、どうなることか?

 実は、今日(8日)彦根市役所の税務課の方が来られました。ボロボロになっいますこの建物の税金のことで現状を確認に来られたのです。

 地域の文化遺産として子どもたちに伝えたいとの保存の思い、願いのみではなかなか行かない。
 できればこれからの子どもたちに残していけるよう、お知恵をお借りしたいところです。


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Posted by 日夏ヴォーリズ建築の会 at 19:14│Comments(0)活動メモ
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プロフィール
日夏ヴォーリズ建築の会
フルヨじいさん

 本人はそんなに思っていないが、子どもたちから見ればやはりそのとおりか。

 日夏に生まれ日夏で暮らしてきた。これからも日夏の良さを再発見しながら暮らしていきたいと思う。できれば色々な方々と共に。