2012年10月08日

県内唯一の郡役所

先般、地域遺産を活かしたまちづくりを考える会「こころばえの会」から旧愛知郡役所保存活用運動の記録『みんなで考えよう 未来を夢あるまちに!!』をお届けいただきました。
4年余りの保存への取り組みの記録と関係者の思いが記されていて、それもカラーで、興味深く拝読しました。



9月27日の朝日新聞滋賀版にも「旧愛知郡役所保存4年間活動冊子に」と題してこの記録集の発刊を報じていました。

新聞では、
「旧郡役所の保存をめぐっては、愛荘町が所有者のJA東びわこから土地建物を買収するため、近くの東近江署愛知川警部交番の土地を県から買い取り、JA側に代替地として売却する計画だった。
 ところが、町議会の反対で計画は暗礁に乗り上げ、今月4日の一般質問で町側は「隣接する愛知高校に来春併設される高等養護学校の生徒のための作業所や、町民との交流に使わせてもらえないか探っている」と答弁している。」と報じられています。

 記録冊子の末、徳田繁子さんのあとがきに、「今まで数回にわたり内外の清掃もやってきましたが、それもままならない状態です。この庁舎の前を通るたびに大きな草に覆われていることに心を痛めています。」とありました。

ふと心配になり、10月7日の朝、見に行きました。



 


 この建物についての感想は、床高も高く、背丈も高くかなり威圧的な建物のように思われることでした。

『近江 愛知川町の歴史』第四巻ビジュアル資料編 分冊二 愛知川町史編集委員会編集、発行愛荘町 平成19年3月によるとつぎのようです。

愛知郡役所は、大正11年(1922)に建設されたものの、同年郡制廃止、大正15年には郡役所も廃止されたという。
愛知郡教育会に移管され、その後滋賀県に移管。昭和12年(1937)4月建物は愛知郡農会に無償譲渡し、昭和33年8月敷地を滋賀県農協中央会愛知支部に有償譲渡、翌34年6月には14農協で敷地を共有登記。
53年9月敷地の一部が豊国排水路用地として滋賀県に売却、建物は愛知郡産業会館と呼ばれ、建物内は経済連(滋賀県経済農業協同組合連合会愛知川支所)・信連(滋賀県信用農業協同組合連合会)・共済連(滋賀県農業共済組合連合会)・愛知郡町村会・中央会(滋賀県農業協同組合中央会湖東支所)などに賃貸使用された。平成18年(2006)現在、敷地はJA東びこ・湖東農業協同組合・西小椋農業協同組合の三農協が所有、建物は愛知川町が引き継いだ愛荘町が管理している。(現在は異なる)

建設当時「広壮な庁舎」と形容され、
軒高が高く堂々とした概観とはその通りです。



細かい事情は知る由もありませんが、
地域の歴史的建造物、
それも滋賀県下で唯一残る郡役所の建物です。

できれば、「草取りぐらいみんなでしたい。」 そんな思いに駆られました。
先祖の営みに、できる限り敬意を表したいものです。




Posted by 日夏ヴォーリズ建築の会 at 06:04 Comments( 0 ) 各地の取り組み
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プロフィール
日夏ヴォーリズ建築の会
フルヨじいさん

 本人はそんなに思っていないが、子どもたちから見ればやはりそのとおりか。

 日夏に生まれ日夏で暮らしてきた。これからも日夏の良さを再発見しながら暮らしていきたいと思う。できれば色々な方々と共に。